ワークショップ「丸岡城下町の魅力を語らう」が開催されました(12/3)
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- 坂井市文化財保存活用地域計画
12月3日、坂井市文化財保存活用地域計画作成事業の一環として取り組んでいるワークショップ第三弾として、「丸岡城下町の魅力を語らう」が丸岡・城のまちコミュニティセンターで開催されました。今回のワークショップは、UDCS副センター長でもある福井大学・野嶋慎二教授の研究室に協力をいただき、研究室の学生チームが8月から11月にかけて行ったまち歩きと聞き取りや文献調査などの成果をもとに、建築や都市計画を専攻する学生の視点からの報告を行なっていただきました。
城下町としての歴史的要素と、丸岡の人々の暮らしに着目して旧城下町を中心とする範囲で実施したまち歩きを踏まえ、眺望・水路・寺社・商店街・工場・空き地の6つの要素に着目して、面白いと思った空間、都市空間としての魅力を向上させるための活用のアイディアなどが提示されました。
学生チームからの話題提供を受けて、約40人の参加者が3グループに分かれて、それぞれに丸岡城下町の魅力を語っていただきました。地域に長くお住まいの方だからこそご存知のとっておきの眺望点を教えていただいたり、学生チームが疑問に思いながらも調査しきれなかったことが確認できたりと、新たな発見や気づきがたくさん得られました。
野嶋教授からの総括では、平山城だからこそ近くからお天守を望めるという丸岡ならではのポテンシャル、また、明治維新、戦災、そして大震災後の区画整理などでともすれば見えにくくなっている歴史的な資源が、ていねいに掘り起こせば豊かな歴史が明らかになることが指摘され、それらを磨きながらどのようにつないでストーリーを描いていくことができるかが大切だとのコメントがありました。
また、長年丸岡城天守の調査研究に携わられ、地域計画協議会の委員でもある吉田純一・福井工業大学客員教授からは、学生チームの発表で、日頃何気なく見ていたものがこんなに面白いものだという気づきがあったはずで、ご自身も、「お天守のまちづくり」をキャッチフレーズにしてきた丸岡のまちづくりは、城下町の時代にすべて戻すのではなく、現代にまでつながっている豊かな歴史文化を絡み合わせながらまちづくりを進めていったほうがいいと気づかされた、とのコメントがありました。お天守「しかない」まちではなく、お天守「もある」まちなのだという意識に変えていくきっかけを与えてくれたという吉田先生からのコメントに、今回のワークショップで目指したものが集約されていたように感じました。
今回のワークショップで得られた成果を、地域計画で描く歴史文化のストーリーづくり、そしてこれから取り組むまちづくりのアクションプランづくりに反映していきたいと思います。
ご協力いただいた城のまちまちづくり協議会の皆さん、野嶋研究室の皆さんにあらためて御礼申し上げます。