三国のまちなかに位置する旧森田銀行(1920年築、設計は山田七五郎)の取り壊しの危機に際し、保存運動が展開される。その結果、1994年に保存が決定、1997年に文化庁の登録有形文化財に登録される。1999年に補修工事が完了した。この出来事を契機として、「三国湊の歴史・文化を活かしてまちづくりを」という機運が高まる。
旧森田銀行本店の保存に尽力した有志を中心として、「一般社団法人 三國會所」の前身である「三國湊會所21C」が発足。三国レンタサイクルおよび三国サンセットクルーズが開始される。
三国町商工会・三国町観光協会が核となり、三国町の支援のもと「みくに歴史を生かすまちづくり推進協議会」が結成される。以後、北前ストリームをはじめ数々の事業が展開された。主な事業は、三國北前ストリーム、三国町中心市街地グランドデザイン策定、三国の歴史文化謂れ書きの設置など。
三国町では町が景観形成地区を指定し、区域における景観形成基準を定め、指導・助言を行う景観形成事業を開始した。「歴史的町家景観区域」などにおいては「景観づくり協定」を締結した区域に所在する建築物の修理や修景等には町から補助金が交付が出来るようになった。
福井県地域ブランド創造活動推進事業の助成を受け、「三國湊魅力づくりプロジェクト実行委員会」が発足する。まちなかに「ジェラート・カルナ」が誕生する。同時期に「三国の歴史文化と自然体験エコツアー」が実施され、着地型観光が開始される。旧岸名家も同年に復元修理を経てオープンした。
道路のカラー舗装や歩道の石畳化、周辺店舗や民家のファサード部分の美装化を実施した(翌年の合併後も坂井市が旧三国町の事業を引き継いだ)。
坂井町・春江町・三国町・丸岡町が合併し、坂井市が発足する。同年、三國湊町家館(旧梅谷家)がオープンする。同年、「三國湊座」がオープンした。同年「第1回 西村幸夫町並み塾」を開催した。
「三国湊魅力づくりプロジェクト実行委員会」のメンバーを中心として、「NPO法人 三國湊魅力づくりプロジェクト」が設立。三国地区の活性化に関する事業を継続した(緑のリレープロジェクトなどを実施)。
2009年に北前ストリームの一環で実施された「三国節まち流し」をきっかけとし、以降「三國湊 帯のまち流し」として毎年が開始される。同年、「三國湊・敦賀港間クルーズ」の実証運行を実施した。
「みくに歴史を生かすまちづくり推進協議会」を法人化し、「一般社団法人 三國會所」を設立した。空き家・空き地の調査(福井大学・野嶋研究室と連携)や三國湊グッズの製作を実施した。
坂井市と(一社)三國會所により「三国湊町家活用プロジェクト」が開始される。2013−15年の3年間で6棟の町家の改修・再生を実施した。
2018年4月に築100年以上の古民家を改修し、公・民・学の連携によるまちづくりの拠点「アーバンデザインセンター坂井(UDCS)」がオープンした。同年5月には任意団体「坂井市アーバンデザインセンター」を立ち上げ、まちづくりに関する活動を開始した。同年9月に一般社団法人「アーバンデザインセンター坂井(UDCS)」を設立した。
アーバンデザインセンター坂井(UDCS)裏に残っていた土蔵を改修した新施設『くららぼん』が2019年春にオープンした(福井県・福井ふるさと茶屋整備支援事業補助金を活用して実施)。UDCSの施設の一部として、また「食」を中心としたまちづくりの中心的な施設として活用していく予定。