第10回三國湊夜咄会「三国祭の山車屋台と水引幕」を開催しました!!
- 三國湊夜咄会
【1/23 第10回三國湊夜咄会を開催しました!!】
1月23日、今年最初の夜咄会「三国祭の山車屋台と水引幕」を開催しました。
2020年、UDCS アーバンデザインセンター坂井がある松ヶ下区が三国祭の山車番を迎えること、そしてその松ヶ下区が、幕末につくられた屋台を飾る水引幕を新調したばかりであるということから今回の企画は始まりました。
夜咄会前半は、やはり今年の祭で山車番を務め、祭終了後に幕末につくられた水引幕の修復に着手しようとしている中元区の嶋田雅弘区長、そして松ヶ下区の山口賢一区長から、それぞれの屋台や水引幕についてお話をいただきました。両区の山車屋台はいずれも慶應3年(1867)年につくられたもので、中元区の屋台は幕末の三国を代表する塗師・初代井田一洞斎の作品で、螺鈿が散りばめられた見事な漆塗が施されています。一方、松ヶ下区の屋台は紫檀づくりで、上段の高欄には黒檀が使われており、幕末の三国彫りの彫刻師・志摩鴻斎作の彫刻が施されています。両区の屋台はともに坂井市指定文化財(工芸品)に指定されています。
中元区・嶋田区長からは、12月に同区の水引幕の調査をされた専門家の所見が報告されただけでなく、人形山車の歴史的変遷や各区の屋台の特徴、さらに大型屋台を曳く”難所中の難所”の紹介など盛りだくさんの内容をお話しいただき、三国祭の新しい見方や楽しみ方を教えていただきました。
松ヶ下区・山口区長からは、数年前から着手された水引幕新調の経緯のほか、重厚な屋台と伊東博文筆と伝わるという額についてもご紹介いただきました。
後半は、やはり今年山番を務める岩崎区の区長でもある、石丸博巳・三国祭保存振興会長から、同会としてのこれまでの取り組みをご紹介いただきました。同会では、山車人形の製作などにとどまらず、山車を出す三国旧市街地各町内世帯の年齢構成や、三国祭当日の露天商の分布の変化などを経年的に調査するなどさまざまな取り組みが行われています。三国祭の継承のために必要なものの本質は何か、とくに若い人とともに考え、行動していきたいという石丸会長言葉は、まさにUDCSの活動理念や目的ともシンクロするもので、これからさまざまな機会をとらえて連携をはかっていきたいという思いを強くしました。
毎年5月19日・20日(本祭)・21日に行われる三国祭。1月にこのテーマで開催することに多少の不安がありましたが、蓋を開けてみれば総勢60人を超えるたくさんの方々にご来場いただき、松ヶ下区が新調の際に作成した水引幕の見本が飾られた会場は寒さを忘れる熱い時間となりました。
三国の皆さんが祭を語るのに季節は関係ない!ということをあらためて実感するとともに、皆さんが大切に思っている祭や山車屋台、水引幕を将来に継承するためにも、若い世代をはじめとするまちづくりの輪をUDCSの日々の活動を通じて広げていかなければならないと思いを新たにした夜咄会でした。
準備から当日まで、さまざまなお力添えをいただいた各登壇者の皆さん、松ヶ下区の皆さんに、心から感謝申し上げます。今年の祭も皆で盛り上げていきましょう!