坂井市文化財保存活用地域計画フォーラム「みんなでつなぐ 坂井市の歴史文化」が開催されました(3/6)
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3月6日、UDCSが作成業務をサポートしている坂井市文化財保存活用地域計画作成事業の令和2年度フォーラム「みんなでつなぐ 坂井市の歴史文化」が開催されました。市内外から、文化財所有者やまちづくり協議会、行政の関係各部署の方々も含め、密を避けるため少なくした定員を超える約120人が参加され、会場となった「いねす」交流ホールは立ち見の方も出るなどご不便をおかけしたことをお詫びいたします。
フォーラムの前半は、坂井市文化財保存活用地域計画協議会会長である西村幸夫・國學院大学教授の基調講演からスタートしました。やむなくリモートでの講演となりましたが、「地域の物語を紡ぐー文化財保存活用地域計画の目指すもの」と題し、地域計画の制度設計の議論に中心的に関わられたお立場から、本事業の趣旨や新規性、歴史文化の文脈からマスタープランがつくられることの意義などについて詳しくお話しいただきました。講演の冒頭には、西村教授が3,40年前に訪れた三国や丸岡の風景が写真で紹介されました。
基調講演に続いて、UDCSからこれまでの作成事業の中間報告を行なった後、後半はパネリスト4名を迎えてディスカッションを行いました。
三国高校の上山康一郎校長からは、高校生が地域人材と協働して地域活性化に取り組む活動についてお話いただき、途中からは今年度三国高校に生まれた「地域探究同好会」の石黒莉理愛部長、小林優月副部長からも活動紹介が行われました。「春江大好きプロジェクト」の木川直美代表からは、2006年の設立以来展開されてきた、春江の歴史や魅力を楽しみながら発信・創造する活動を紹介いただきました。ランナーでもある木川さんは「歴史文化マラニック」の提案もされ、春江の歴史文化資源の魅力的が熱く語られました。
称念寺の髙尾察誠住職からは、「自分の住んでいるところを自慢できるように」という想いから、地域の子どもたちが楽しく学べる機会を大切にされていること、また、NHK大河ドラマを機にできた「おもてなし部会」の活動から、地元の人たちが花の手入れや訪問者の案内などを自然体で行っていらっしゃる印象的な姿が紹介されました。
最後は、昨年「鬼辺輪中を歩く」ワークショップも開催した坂井木部地区まちづくり協議会・ぶんか教育部会の栗原部会長から、まちづくり協議会として歴史文化に取り組むようになった経緯やワークショプの開催、また今後にどのようにつなげていくべきかについてお話しいただきました。
それぞれ盛りだくさんの内容で、ディスカッションは時間が足りませんでしたが、「地域の良さを伝えられる文化の土壌をつくっていきたいという」文化財所有者としての髙尾住職のメッセージは大変示唆に富むものでした。
昨年度は開催が中止となり、初めてのフォーラムとなりましたが、各地で開催されているワークショップやフォーラムを通じて、市民の皆さんに計画作成のプロセスを共有していただく機会を今後も設けていく予定です。